いただきものの栃餅(とちもち)。
一週間かけて栃の実をあく抜きをして手間ひまかけて作られた、手作りの一品。
栃の実は縄文時代から活用されていた食糧で、農作物が不作の際にも非常食として重宝されていた木の実。
どんぐりより強い灰汁(あく、えぐみのもと)は、時間をかけて抜かないと食べられない。
以前餅米についてあれこれ調べていた際に、栃餅は江戸時代に山郷の栃の実文化が山郷でも少し手に入るようになった米と融合して生まれたと知った。
ふわりと舌に心地よい栃のほろ苦さ、米の甘味。
これにはふわりとミルキーな余韻のある、当店でも人気のあさつゆという品種で作られた豊橋紅茶を。
現代人は栃の木を切り倒し、手間を省き、何を手に入れたんだろうなどとちょっぴり思いつつ。
「栃を切る馬鹿植える馬鹿」とはよく言ったものだ。
ズビビと茶をすする。
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