つかの間の休止の後、当店の今年のお茶の入荷も後半に突入。
熊本県上益城の、川一つ隔てた熊本と宮崎の県境に位置し、平地より少し涼しい山に囲まれた地域、山都町馬見原。
そこは古くから釜炒り茶(蒸すのではなく、釜で炒って作る茶)の産地のひとつ。
その土地の、女性の作り手ひとりで切り盛りする小さな茶畑から、今回新たに2種類のお茶を入荷。
ひとつは、作り手の先代が昔ながらの釜炒り茶の風味を守り続けるために、既に植えられていた在来品種から香りや味の良いものを抜擢・栽培し、岩永一号と仮名を付けられた希少な茶樹群から春に製茶された紅茶。
穏やかながらどこか野生的で、優しい甘香の後に、僅かにすんと清々しい清香が鼻に抜ける。
味わいは柔らかく温かみを帯びた透明感のある、派手ではないが滋味に溢れる土地ならではの風味が、紅茶に姿を変えて息づいている。
もうひとつはつゆひかりという品種の紅茶。
つゆひかりの温和で香りの良い特性が、作り手によって温州みかんや葡萄を想起させる、甘いフルーティーさを帯びた香りの紅茶に。
2ndフラッシュ(初夏摘)ながら飲みあたりは軽やかで、つゆひかりの上品な味わいに甘いジューシーな香りが寄り添う。
どちらも出来立ての春から少しずつ風味がまとまり穏やかな甘い香りへと変化している。
蒸し茶や釜炒り茶、いわゆる緑茶を作り続けてきた日本各地の大小様々な茶どころから、紅茶などの発酵茶が新たに作られ、新たな土地の文化や風味を紡ぎだしながら、伝統を守り続ける作り手たちの試み。
その試みと伝統が代代にわたり続くことを思いながら、そのほんの一面だけでも、当店でご提供する「紅茶」という飲み物の中から、各々そっと感じ取っていただけたら、誠に幸いです。
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