熊本県の南側、芦北の山あいに位置する、きれいな水の流れる小さな茶どころから、今年もべにふうきという品種で作られた紅茶を入荷。
決してベストコンディションとはいえない、予測不能な気候の影響を受けた茶葉に対峙する、センスと技術を伴う作り手の丁寧な仕事ぶりが垣間見れる茶葉。
今年は作り手らしい甘い香りの出方は健在だが、さらりと軽い風味で、百花蜜のような甘さを、薄っすらとバラ科樹木の花を想起させる優しい花香が追いかけるように香る印象。
少し飲み進めると優しい風味の中からべにふうきらしい輪廓が現れる。
優しいがバランスのとれた風味に、作り手の熟練した技を感じる今年の味わい。
ご紹介しながら恐縮であるが、もうしばらくしてからのほうが、風味がしっとりと落ち着き、甘香と味わいを楽しめそうであるため、本格的にご提供するのはもう少し先にする予定。
今回は告知のつもりだが、どうしても直ぐに味わいたい方はご相談を。
今後も少し寝かせてからご提供するお茶が増える模様。
今年のお茶に多く共通するのは、淡い味わいながら輪郭が立ち、喉元にピタリと張り付くような、氷砂糖にも似たいつになく甘く長い余韻を残すものが多いこと。
そして茶樹と同じ気候を過ごしてきた私たちに、すっと寄り添うような、良し悪しでは捉えがたい独特の風味を醸し出しているように思えてならない。
今年のお茶を口にして、今年の国産紅茶の特徴を掴みながら、気候に対する植物の反応に驚きながら、みなさまに良茶をお届けできることを考えながら、まだまだお茶のご紹介は続いていきます。
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