梅雨前の過ごしやすい時期。
今日は戴き物の上州銘菓、手亡豆に肉桂ことシナモンをまぶした、さつま芋を形どった和菓子に、何を合わせようか迷い、愛知県新城の作り手によるべにひかりの春摘み紅茶を添えてみた。
シナモンの香りに素朴な白餡の風味がクセになる菓子。
シナモンは紅茶に合うスパイスとも言われており、スパイス入りチャイに用いるスパイスミックス(マサラ)には欠かせない存在だが、緑茶など紅茶以外の茶にもとてもよく合う。
シナモンにはいわゆるセイロンシナモン、近縁種のカシア(シナニッケイ他)に日本のニッキなどがあり、芳香成分やそれらの含有量、産地や品種により香り方にもやや違いがあるが、共通する特有の甘くスパイシーな香りは店主を虜にする。
シナモンは多くの料理・菓子にも欠かせず、その芳香は食材の臭いをマスキングし、甘い香りは食欲をそそる。
とても個性的なのに、不思議と多くの食材とすんなり馴染む柔軟なスパイス。
今日選んだ紅茶は、べにひかりの品種特性のひとつである、少しスリランカのウバ茶を思わせるすっとした香りは影を潜めている。
代わりに軽やかな味わいに、作り手が演出する南国フルーツを想起させる甘い香りが、誠に良い塩梅で輪郭を作っている。
この作り手はこの甘い香りを嫌味なく上品に茶に纏わせるのが上手く、ふんわりとした果物香を楽しみたい方におすすめの紅茶。
以前、この作り手が醸す香りが台湾茶とかで言われている蜜香ですか?、と質問を受けたことがあるが、この香りは蜜香ではない。
蜜香(ウンカとも呼ばれるチャノミドリヒメヨコバイという虫が、葉液を吸う際に化学反応が起き生じる香り。勿論その香りを活かせるかは作り手次第。)ではないが、作り手が作り出す軽やかで穏やかな、独特の甘いフルーツの香りを感じ、ほっこりと安らいでいただけたら嬉しい。
今日の紅茶と菓子の相性は言うまでもなく、甘い香り同士が混じり合い、茶の香味がシナモンの香りに溶ける心地よさ。
シナモンと茶の風味がどのように交差し混じり合うのか、改めていろいろなお茶で試したい欲求が生まれる店主。
楽しいお茶の時間をありがとうございました。
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