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「サルトリイバラ喫茶室」的 至福時々

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だんだんと温かい日が増え、花粉飛散量も多くなってきていることを肌で感じる。

今日は、当店で取り扱っている芦北の作り手の夏摘み在来紅茶が練り込まれたチョコレートに、同じく夏摘み在来茶葉が使用された、蓬(よもぎ)在来紅茶を合わせた。

店主は以前は基本的に、チョコレートは体温より少し高い程度のぬるま湯と共に食べることにしていたが、今回は敢えて練り込まれた茶葉に共通する風味の茶を添えてみた。

今年のバレンタインは特に、紅茶に限らず産地や作り手にこだわった茶葉を練り込んだチョコレートの話題を多く見かける。

以前から抹茶はもちろん、紅茶風味の菓子はたくさんあるものの、より茶の味わいや個性を菓子で表現しようという試みへと広がりを見せている。

茶の個性を菓子として食べる、新たな茶文化となるのかもしれない。

口にしたチョコレートは、見た目よりマイルドで角のない、僅かにミルキーでビターな風味から、優しくしかししっかりと、作り手特有の茶葉の香ばしい甘い香りが輪郭を作り、カカオのよい加減ででしゃばらない香りと味わいに上手く溶けている。

ベースとなるチョコレートが、紅茶を活かすようよく考えられていると感心する。

合わせた紅茶も、チョコレートに蓬香が融けて思った以上にありな組み合わせ。

紅茶の風味が一見ミスマッチな風味同士を繋いでいる。

以前は頻繁にいろいろな産地のチョコレートをあれこれ食べ比べていたが、体調によっては頭痛やアレルギーを悪化させる原因だと判明し、今は以前よりかなり量を減らして体調と相談しながら時折楽しんでいる。

自分がどんなに好きで一般的に良しとされるものでも、必ずしも自分に良いものとは限らない。

自分の体に合わないものが悪という訳でもない。

ある人には薬でもある人には毒になることもあるし、薬か毒かは量によっても変わるだろう。

敵面に危険なレベルで体に影響するならば距離を置かざるを得ないが、体と相談しながら時々少し摂取できれば、時に楽しみなる。

そんなことを考えながら、作り手の紅茶が入ったチョコレートを口にして、束の間の至福を得る。

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