金木犀の香る時期もさらりと過ぎ、雨が降る度に少しずつ気温も下がっていく。
今日は佐賀の伝統的なお菓子のひとつ小城羊羹に、宮崎県五ヶ瀬のやまなみという品種で作られた春摘み紅茶を合わせた。
上品な羊羹を薄く切って、お茶と合わせて羊羹の風味がお茶の風味に溶けるように、ちびちびと味わうのが店主の好みの食べ方。
小倉餡や練り餡の、小豆の風味をシンプルに味わうことのできる羊羹は、緑茶だけでなく紅茶などの発酵茶ともとてもよく合う。
昔ながらの小城羊羹は表面の糖分が結晶化してしゃりしゃりとしているのだが、その甘さをさっぱりと流すように、ほんのりビタースイートな香りにくっきりとした味わいのやまなみがぴたりとハマる。
やまなみのビタースイートの香りの中には、蜂蜜だけでなく少し小豆をよ思わせる香りが感じられ、重くはなく紅茶らしい味わいは、羊羹の甘さを洗い、小豆の風味の余韻を深めるような印象。
一緒に食べるものによって、お茶の香味の印象は変わる。
お茶の時間に、そのような小さな遊びを取り入れると、お茶の楽しみや興味はグンと広がるかもしれない。
当店でひっそり静かに、そんなひとり遊びにふけっていただけますと幸いです。
※当店では、マスク未着用のお客様のご入店はご遠慮いただきます。当店の階段登り口あるいは扉に貼っている、コロナウイルス感染対策の注意書きを必ずご一読いただき、ご納得された上でご入店ください。
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