湿度が高く蒸し蒸しと暑い関東の週末。
今日は日本風のマドレーヌに熊本県芦北の作り手による、在来種の春摘み紅茶を合わせた。
マドレーヌはもともとシェル型のフランス発祥の菓子だが、日本ではアーモンドパウダーを使ったマンケ型で作る焼き菓子のパン・ド・ジェーヌ(pain de Gênes)と混同され、マンケ型に似た菊型で作られるようになったらしい。
材料に洋酒やアーモンドパウダーを使ったり、焦がしバターを加えた凝ったものもたくさんあるが、今日いただいたマドレーヌは、卵・バター・小麦粉がほぼ同量(と思われる)に、蜂蜜とレモンを加えた基本的なレシピのもの。
店主はこういうシンプルでソフトな焼き菓子に、香ばしい茎ほうじ茶を合わせることもよくある。
今日合わせた芦北の在来種の紅茶は、もちろん茎ほうじ茶とは全く異なるが、甘香ばしい柑橘系の香りにさらりとした甘い味わい、口に含むとふわっと広がり鼻腔を抜ける上品な花香が何ともクセになる、当店の定番の紅茶のひとつである。
少し前にこの春摘み在来紅茶の、6年前のものを密閉保存しておいた紅茶を口にして、改めてこの紅茶の甘香ばしさと口に含んだ際のしっとりと温かみのある花香の広がりと余韻がぐんと増していることに感心し、今回ご提供している昨年の在来紅茶とお菓子を組み合わせてみた。
バターの入ったしっとりとした素朴な焼き菓子にあまりにも違和感なく寄り添い、かつ鼻腔をくすぐる花香の残香をしっかりと放つ。
派手ではないが、焼き菓子に負けずに調和する味わいと個性。
お茶と菓子の素晴らしき組み合わせに、自分はまさに今この風味を求めていたんだと独言。
プルースト現象だって起きそうな絶妙な香しさ(お茶と菓子に夢中過ぎて微塵も起きなかったが)。
わかりやすい華やかさの品種が醸す風味ももちろん魅力的だが、その土地に根付き息づいてきた風味もまた麗しい。
おうち時間の中で、みなさまも思い思いに茶が醸す風味や、おやつと合わせることで見出される茶の魅力に出会い楽しんでくださいますように。
当店は現在臨時休業中ですが、通販サイト(https://shop.sarutoriibara-kocha.net/)は通常通り対応いたします。
店舗は9月2日より再開を予定しております。
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