栗仕事。
今年もやってきたこの季節。
栗の渋皮煮を作るために、毎年店主におとずれる小さな覚悟。
栗の皮を剥く際に、栗が滑ってざっくりと指を切ってしまったことは一度ではなく、軍手をしていても負傷したり傷跡が残るほど深傷を負ったこともある。
手先も荒れる。
それでも栗ご飯用であれば、栗の皮剥きナイフも活用し、比較的剥きやすくはあるが(とはいえ、力がかかり続ける部分にマメはできる)、渋皮煮は渋皮を傷つけないよう鬼皮を剥く必要があり、微妙な力加減を要する。
栗の中に思いの外虫がいることもあり、鬼皮を剥き掃除するまでわからないこともある。
毎年やめておこうかと思いつつ、しかし毎年作って食べたい気持ちが勝り、今年も栗仕事に挑んだ。
挑むと言っても、店用ではなく個人的に瓶詰めにして年末年始少し知人にあげたり自分で楽しむ程度の量だが。
洋酒とバニラをしっかりと効かせる。
今年はうっかり使う予定の洋酒を切らしたため、急遽国産ラムをメインにしたが、軽やかな風味に仕上がり国産紅茶とより合わせやすくなった。
栗自体の甘さがほどほどだったのも影響しているように感じる。
当店の作り手それぞれ、このバニラ風味の栗に合わせたい紅茶があり迷ったが、今日は愛知県豊橋の作り手によるあさつゆという品種の秋に手摘みされた紅茶とともに。
この紅茶はコクがあるが渋味を感じず穏やかな軽やかさに、こくりと飲むとほわりとミルクに似た甘い香りを残す。
不思議と食事にもおやつにも合わせやすい汎用性の高い紅茶のひとつだ。
予想するまでもなく、栗の風味と秋摘みらしい紅茶の深味、バニラ香の混じる洋酒の香りに紅茶の花香を含んだミルクを思わせる香が溶け合い、温かみのある甘い秋らしい組み合わせになった。
ヤケなのか食い意地なのか、今年も栗仕事をしてよかった。
今は店で定期的にご提供できるほどは作れないが、栗と国産紅茶の組み合わせもなかなか面白いですよとご報告まで。
ちなみに栗は薬膳では温性で、脾胃の働きを助け血の巡りをよくし、腎を補強して老化から起こる腰膝の衰えや胃弱の改善によいといわれている。
当店で現在ご提供中のかぼちゃも、薬膳では脾胃の働きを助け気の巡りを改善し疲労回復や血行促進によいとされている。
秋のホクホクした食感の食材は、来たる冬を乗り切るための体が求める美味しさなのかもしれない。
当店の秋のおやつは11/1までパンプキンケーキ、休み明けから別のホクホク系へと切り替わる予定です。
ただ今 通販サイト(https://shop.sarutoriibara-kocha.net/)でも当店の紅茶をご購入いただけます。
※当店をご利用の際は、当店の階段登り口あるいは扉に貼っている、コロナウイルス感染対策の注意書きを必ずご一読いただき、ご納得された上でご入店ください。
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