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「サルトリイバラ喫茶室」的 大地香る

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奈良県月ヶ瀬、山あいに点在する茶園から、山の息吹を感じて気持ちがすっきりきりりと引き締まるような、爽やかなお茶を入荷。

作り手の紅茶は、すべてにわたり作り手特有の野草花に似た個性的な香りと味わいを放っているが、その個性と品種の特性が溶け合い立ち昇るお茶に仕上がっている。

今年は、春らしい若葉のフレッシュな風味を楽しむ紅茶と、紅茶らしい香気を放つ紅茶の3種類を揃えた。

やぶきたという日本茶用品種で作られた今年の紅茶は、発酵はやや浅く若々しくも穏やかな輪郭でやさしい口当たり。
緑茶品種の紅茶にしばしば見うけられるほんのり柑橘のような香りを持ちつつも、ほんのりとスミレのような野草花を想起させる、作り手特有の萎凋香のかぐわしいお茶に仕上がっている。

後味はさっぱりとしたフレッシュな風味は、飲むほどに甘い香を残していく。

べにひかりは紅茶・半発酵茶用品種。紅茶用品種ながら渋みは少なく、スッキリと鼻に抜ける清香が特徴とされる。特に作り手のお茶は、あくまでもすっきりとした味わいに、すんと香る清香、蜂蜜に似た甘い香、スミレのような花香、喉の奥に広がるコクの調和、澄んだ後味が印象的。

今季は特に風味に丸みを感じる、力強くも柔らかな紅茶のひとつ。

べにほまれは、アッサム系品種のしっかりとした味わいが特徴的な品種。

作り手のべにほまれは土質と言おうか、黒糖のような花蜜香に程よく心地よい淡い苦渋味が、深みのある味わいにしっかりと輪郭を与えている。

深みがありながらも、作り手らしいすっきりとクリアな飲み心地の紅茶は、是非ストレートでその風味を堪能していただきたい。

作り手ならではの、すっきりとした中に奥行きのある紅茶の、心地よい後味と甘香は格別。

当たり前だが、作り手たちの仕事はただ新芽を摘んで茶を作るだけではない。

製茶した際のこともイメージしながら、それぞれの茶樹が大地に根を張り、健やかに逞しく育っていくための土壌作りも含まれる。

肥料過多など可愛がりすぎても、植物がより良く育つことを妨げたり、周りの環境にとっての弊害になる場合もある。

それは我々動物も同じことだろう。

月ヶ瀬の作り手は、茶樹がその周辺の自然環境に溶け込むようにということを常に意識し、自然栽培を軸に茶樹を育て、周りの環境の香気も茶に反映させるよう試みている。

その作業は、未来の子子孫孫のことまでを見据えた、途方もない作業だけれど、ずっと先のヴィジョンを思い描いて、今やるべきことを楽しみを交えて潔く取り組む姿は、ただ感心するばかりでこちらの背筋もしゃんと伸びる。

口にした茶を美味しいと思った時、そこになぜという問いが生まれ、ほんの少し掘り下げてみたくなる。

当店でそんなことがあると嬉しいなと思いつつ、独り言のような茶のご紹介はまだしばらく続きます。

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