今日も雨の関東。
季節は少しずつ秋に向かっている。
今日はふ饅頭に、静岡県磐田の作り手によるむさしかおりという品種の紅茶を合わせた。
店主はふ饅頭が好物で、夏になり和菓子屋の店頭でふ饅頭が並びはじめると心踊る。
通年販売している店もあるが、今年ももうそろそろ終わりかと残念な気持ちが手伝い、ずるずると何度も食べ納めをしている。
ふ饅頭は、大抵蓬が練り込まれていたり、青海苔が練り込まれている青味のある風味の生地に、こし餡が包まれていることが多いが、今日いただいたふ饅頭は、生地には胡麻が散りばめられ、餡は薄ら甘塩っぱい白餡。
少し個性的だが、笹の葉に包まれ生地にほんのりと笹の香りがついているのは変わらない。
今日は何のお茶を合わせるか迷い、柑橘香に甘いスズランにクチナシ様の花香(萎凋香)が喉元からふわりと香る、穏やかながら個性的な紅茶を添えた。
渋味はなく、甘味を感じる柔らかな味わいで優しい紅茶だが、その優しい香りと味わいの心地よい余韻が長く、優しさの中にバランスのよい奥行きを感じる、印象深い上品な個性の光る紅茶だ。
繊細なヴェールをかけたような、優しくも印象的な花香は、作り手の他の紅茶からもしっかりと感じることができる。
肝心の個性的なふ饅頭との相性は、旨味の共通点はあるものの、ふ饅頭の風味と紅茶の風味にあまり接点を見出せず(時にはこういうこともある)、ふ饅頭はふ饅頭としてよし、紅茶は紅茶としてまたよしという結論に至る。
次回はあっさりとした和菓子でこの紅茶をリベンジしてみよう、と心に決めた。
当店、ふ饅頭はございませんが、ただつらつらと飲むだけでほっとひと息つけるような、穏やかな香味の紅茶をたくさんご用意しております。
ただ今 通販サイト(https://shop.sarutoriibara-kocha.net/)でも当店の紅茶をご購入いただけます。
※当店をご利用の際は、当店の階段登り口あるいは扉に貼っている、コロナウイルス感染対策の注意書きを必ずご一読いただき、ご納得された上でご入店ください。
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