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「サルトリイバラ喫茶室」的 それでも味嗅覚は

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11月半ばというのに、昼間はコートが不要なほどに温かい。

あまりの温かさに、北極圏の白くまは大丈夫だろうかと思ったりもする。

今日は秋から春先くらいまで販売されていて、秋になると店主が心待ちにする菓子、うぐいす餡こと青えんどう豆のきんつばをいただいた。
えんどう豆といえば、薬膳では体の湿を取り除き、気の巡りをサポートする食材として知られている。

合わせた紅茶は、宮崎県五ヶ瀬のべにひかりという品種の春の手摘み紅茶。
この作り手の紅茶は、美味しくなるまでしっかりと寝かせたほうがよいのだが、のんびり待っているとある時を境にくぐっと香り高く、青さが抜け味わいにまとまりと穏やかな丸みが出る。
こちらのべにひかりも、出来立てから少しずつ花の香りにデーツ糖の混じったような甘い香りに、べにひかりらしい旨味感はなめらかに舌に広がる。
品種が持っているメントール感は控えめで、甘い香りの方が印象に残る。

春摘みでも品種らしいコクがあり汎用性が高く、和菓子にも洋菓子にも合わせやすい風味の紅茶のひとつだ。

この紅茶とえんどう豆のきんつばはよく合うだろうと思った通り、互いの風味を引き立て合う組み合わせとなった。
豆のほくっと芳醇な風味が紅茶の甘い蜜の香りを引き立て、紅茶のコクと甘い旨味が豆の風味を膨らませる。

この紅茶がもう少し経って、より一層甘い円やかな風味を発する時がますます楽しみである。

えんどう豆の、独特の青い風味は、店主が子供の頃には受け入れ難く、食卓に出てくるとうろたえ暗い気分になったものだが、いつの間にかたまらなく好きな風味になった。
思えばきんつばも、幼い頃はまるで魅力を感じなかったが、今やこの硬めの餡が薄皮に包まれた菓子に夢中になっている。

子供の頃に嫌いだった食材の香味が美味しいと感じるようになることを、味嗅覚の退化・鈍化・老化というならば、むしろ楽しみが増えた歓迎すべき現象だとも思う。
歳を重ねた甲斐がある。

茶の味わいを楽しめるようになることも、また同じかもしれない。

当店ではさまざまな風味の国産紅茶を取り扱っておりますので、ゆっくりのんびり、みなさまそれぞれのお好みの風味を見つけてみてください。

ただ今 通販サイト(https://shop.sarutoriibara-kocha.net/)でも当店の紅茶をご購入いただけます。

11月26(金)午後12:00〜12月2日午後12:00まで、当店開業5周年の感謝セールも開催いたします。
店舗・通販サイトともに茶葉が20%〜25%でお買い求めいただけます。(※期間問わず売り切れ次第終了)

 ※当店をご利用の際は、当店の階段登り口あるいは扉に貼っている、コロナウイルス感染対策の注意書きを必ずご一読いただき、ご納得された上でご入店ください。

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